節分過ぎれば、春になる!…なんて、節分の日に子どもたちに説明したものの、一層冷え込んで天気予報でも「雪」マークが…( ゚Д゚)
やっぱり、2月は寒い!
みなさんは、夏 と 冬は どちらがお好きですか?

・・・私は、「春」が好きw!
今自然と二者択一で答えようとしませんでしたか?
対象者に二者択一で質問することで、無意識に断れなくさせる(どちらかで答えさせる)話術のひとつです。これは「ダブルバインド」と呼ばれる技法で、ビジネスシーン(営業)や占い師などの話術としても有名な「コールド・リーディング」のひとつでもあります。

コールドリーディングとは?
コールドリーディングとは、相手に対して事前情報がない状態に相手の立ち振る舞いや話した言葉、細かい仕草や身に着けているもの、目の動きや呼吸の速さなどの情報をもとに相手の心理情報を把握(推測)し、その上で誘導することをいいます。
意味としては、コールド(cold:事前準備なしに)リーディング(reading:相手の心を読む」からきていて、逆に事前準備をしたうえで、心を読んだように見せかけて心理誘導をしていくことは「ホットリーディング」といわれています。
そこで、コールドリーディングに必要なスキルとして、話術や観察力があげられます。
このどちらもができたうえでコールドリーディングは初めて成り立ちます。
そのため大きな企業などでは、このようなスキルを身に着けるための研修なども行われています。
その他のテクニックとは
コールドリーディングには様々なテクニックが紹介されていますが、前述のダブルバインドのほかにどのようなものがあるかご紹介しておきます。
あいまいさを利用
これは、複数の意味に解釈することができるあいまいな言い回しによって、相手になっとく、独自の解釈をさせるというやり方です。
「多少」「適当」「~してしまうことがある」など、日本語では、さまざまなあいまいな表現があるのですが、それを逆手にとって、いかにも相手の状況を見抜いたような物言いで問いかけるというやりかたです。
例えば、「最近、あなたの周りでよくないことが起こっていませんか?」などということですね。
相手はなんらかの思い当たる節が十中八九存在するので、このようなことばを投げかけることで、見透かされていると相手に思ってもらおうというわけです。
バーナム効果
これは心理学用語で、「誰にでも当てはまるようなこと」を言うことです。
あいまいさの利用に近いとこもあるのですが、
「やろうとしているのにまだ始めていないことがありませんか?」と
投げかけることなどによって、相手は、まさにそうだと信じ込ませてしまうわけです。
これは、ほぼ誰にでも当てはまる質問になっています。
このバーナム効果は相手に「自分にだけ当てはまることを伝えられている」と思わせることでさらに信頼を強めることができます。
確かに、「悩みを持っていますね」と伝えるよりも「小さな悩みを抱えていますね」と伝えるほうが信頼されやすいような気がしますよね💦

ダブルバインドはメンタルヘルスに悪い?
ここまでは、コールドリーディングというビジネスシーンなどでポジティブに使える「話術」のお話でしたが、ここから先は心理学的な「ダブルバインド理論」についての説明です。
精神的によくないダブルバインド
そもそも「ダブルバインド(二重拘束理論)」とは、発信されたメッセージとともにその裏に隠されたメタメッセージとの間に矛盾が含まれている状態のことをさします。
ダブルバインドには、メッセージの中に複数のレベルが存在するコミュニケーション状況のことで、精神的に良くないという特徴があります。・・・なんのことだか分かりにくいですね💦
具体的な例をあげてみていきましょう!
ダブルバインドの典型例
①親子関係におけるダブルバインド
親子関係におけるダブルバインドとは、親子間の会話で「矛盾したメッセージ」が発信されたために、メッセージの受け手が精神的な混乱状態に陥ることを意味します。
この状況で多いのが、「親のメッセージに矛盾があって、子どもが混乱状態に陥る」ケースです。
「自分の子どもが悪いことをした場面」「教育の場面」から2つの事例をあげてみましょう。
子どもが悪いことをしてしまったとき
子どもは、悪いことをしたにもかかわらず、親に自己申告しないことがままありますよね。
当然、叱られたくないからです。
そういうとき、親は子どもに、「怒らないから、正直に話してごらんなさい」と説明を促したことがりませんか。
子どもはそれを受けて、「怒られないなら正直に話そう」と考えて、「○○をした」と説明します。
しかしそれを聞いた途端、親が「どうしてそんな悪いことをしたの?」と激高してしまったら・・・。
こういったパターンはよくある話ではないでしょうか。
- 「話せば怒らない」というメッセージ
- 「悪いことをしていたら怒る」というメタメッセージ
こういったパターンでは、上記のように矛盾が生じて子どもを混乱させてしまうことがあります。
子どもの進路相談での場面
ママ 「あなたの人生なんだから、好きな進路を選びなさい」と言われ
子ども「中学卒業したら、上京してYouTuberになりたい!」と言ってみたら…
ママ 「お願いだから、高校には進学して」
子ども「・・・(好きな進路を選びなさいって言ったのに)。」
こちらは親が子どもをコントロールしようとしている会話になっています。
- 子どもに自由を与えるメッセージ
- 子どもの思いを聞いた途端、否定的な言葉で親の考えを押し付けるメタメッセージ
子どもはママが言うことの矛盾にもやもやしていますね。
②会社などの職場におけるダブルバインド
新入社員に向けた言葉
上司が新入社員に対して、「何か分からないことがあったら何でも聞いて」と言ったとしましょう。
新入社員はそこで正直に「○○が分かりません」と上司に話しました。
すると、上司は「そのくらいは自分で考えて欲しい」と返答したのです。
このようなケースもよくある話ではないでしょうか。この場合、下記のようなダブルバインドにより、新入社員は萎縮するもしくは自信をなくしてしまうのです。
- 「分からないことは何でも聞いていい」というメッセージ
- 「自分で考えるべき」というメタメッセージ
仕事を任せた部下に対して
上司が部下に対して、仕事の進捗や結果などの報告を求める場面は日常的に見られます。
たとえば上司が部下に対し、「仕事に関して報告するように」と指示したとしましょう。そして指示に従い部下が上司へ仕事の報告をすると、上司から「君の意見は聞いていない」と言われてしまうのです。これも、ダブルバインドといえます。
- 「報告を求める」というメッセージ
- 「意見は聞かない」というメタメッセージ
つまり上記のような矛盾によって、部下は萎縮してしまうのです。さらに「本来の力が出せなくなる」「モチベーションが下がる」「主体性がなくなる」といった状態に陥ってしまいます。

まとめ
ダブルバインドにはメリットとデメリットが共存しています。
対象を良い方向へ誘導できる反面、無意識に矛盾したメタメッセージを発信していないかなど、第三者からの助言が気づきになることが多いのも事実です。
家庭内やお勤め先などで、知らないうちに対象者を困らせていないか、こっそり確認してみましょうw
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